2018年03月22日

お庫裡から 2018年3月



今月の掲示板は、この度63才で芥川賞をもらわれた若竹千佐子さんの『おら おら おらでいぐも』からことばをいただいています。
この本で私が一番共感したのは、「自分に対する好奇心」という言葉でした。
私も、自分に対する好奇心が強く、それが生きる意欲につながっていると感じていたからです。
そして、この本全体を通して流れているのは、お念仏の世界だ(阿弥陀さんの阿の字も出ていませんが)と思いました。
この後で、「わがかくし念仏」(阿伊染徳美 著)を読みました。
岩手地方では、世間生活をしていながら、いつの時代からか黒ぼとけさん(親鸞聖人の遺灰を塗ったと伝わる阿弥陀像)を中心に講が組まれ、リーダーが選ばれ、講の日は見張りを立て、リーダーの家に集まり、早口に「正信偈」を勤め、お文さん(蓮如上人のお手紙)が暗唱されて、何代にも渡り、お念仏に生きる人々の暮らしが息づいていたのです。
若竹さんも、そんな背景の中で育たれ、この本が生まれたのだと思いました。
岩手のかくし念仏と同じように、薩摩地方では、かくれ念仏が伝わっています。
300年の長きに渡って島津藩から念仏を禁制され、弾圧され、明治9年の西郷隆盛の「信教の自由は奪うべからず。よろしく禁令を解くべし」まで弾圧が止むことはありませんでした。(『薩摩のかくれ門徒』星野元貞 著)
念仏は畢竟依、よくぞ私にまで伝えてくださいました。ありがとうございます。
10月3・4・5日、薩摩かくれ念仏の旧跡をたずねる旅を計画いたしました。
20名募集。
詳細は寺までお尋ねください。


  

Posted by 守綱寺 at 20:00Comments(0)お庫裡から