2020年10月05日
お庫裡から 2020年10月
朝晩、ようやく涼しくなってきました。
人間は、暑ければ暑いで、寒ければ寒いで、文句ばかり言っています。
まわりに目を向けてみれば、立秋過ぎからとんぼが飛びまわるようになり、水引き草、萩、芒、彼岸花、木犀と秋の花が存在を示し始め、小鳥が飛来し、かわいい声を聞かせてくれます。
それらの現象(が起きるから)を、秋と呼ぶのでしょうが、私は「みんな、どうして秋だとわかったの」「どこで秋だとわかったの」と問いかけずにはおれません。
そして「季節がちゃんとわかって偉いねー」「偉いねー」と一人感心している。
見つけた途端、パシンと叩きつぶす虫もいるけれど、「こんな所にはえちゃ困る」と引っこ抜く草もあるけれど、巡る季節の移ろいを感じる風、日ざし、鳥、草花を見つけると、嬉しく、又、その事に気づけたという事に感動する。
中学生の頃より登校時間がぐっと遅くなった高一の誓くん。
ある朝、登校する誓くんの背に「行ってらっしゃい」と声を掛けました。
玄関を出た所だったのに、又もどって、私の方に顔を向け「おばあちゃん、行ってきます」と返事を返してくれました。
何でもない事のようだけど、深い感動を憶えました。
人は、何事でもない行為の中で、他人に感動を与えることができる。高一の誓くんに教えられました。
自然現象も、人間関係にも、感動できるのは人間だけ。
人間に生まれた事を喜び、私を尽くして生き切りたいと思います。
Posted by 守綱寺 at 14:52│Comments(0)
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