2022年06月27日

今日も快晴!? 2022年6月

今日も快晴!? 2022年6月

愛用している生活クラブの機関誌「生活と自治」に、映画監督の森達也さんの「停止しない思考」という連載があります。
5月号は「何が正しいのか、間違っているのか。」と言うタイトルで、ウクライナ紛争が取りあげられていました。
毎日テレビのニュースや新聞でこの問題は取り上げられていますが、今まで見たどの情報よりも、森達也さんの文章がストンと腑に落ちました。
そのまま紹介したいと思います。
「まずは大前提。一方的に軍事侵攻に踏み切ったロシアに理はない。どんな状況であろうが外交努力は続けるべきだ。武力に訴えるべきではない。核兵器や生物化学兵器の使用を恫喝に使うロシアは批判されて当たり前。絶対に認めない。でも、ここに至る過程で、NATO(北大西洋条約機構)や米国はウクライナにどのような干渉をしてきたのか、ロシアをどのように追い詰めてきたのか、そうした要素はもっと報道されるべきだ。
侵攻開始から3週間で52人の子どもを含む726人のウクライナ民間人が殺害された、と国連は発表した。でも2003年に米国がイラクに武力侵攻したとき、およそ11万6000人のイラク民間人が殺害された。殺された子どもは数千人。なぜ世界の対応はこれほどに違うのか。
ウクライナを支援する米国や西側諸国に対してプーチンが核兵器の使用をほのめかしながら恫喝したとき、核抑止の論理は瓦解した。いやむしろ、本来の意味の核抑止力をプーチンは世界に示したのかもしれない。指導者が常識を逸したのなら、核は抑止ではなく恫喝の道具になるのだと。ところがこの機に乗じて安倍元首相は、米国との核シェアリングをいきなり提唱した。火事場泥棒の騒ぎではない。
SNSにアップされたロシア軍ヘリコプターが撃墜される動画に、何十万の日本人がいいねをクリックする。その兵士にも父や母はいた。妻や子がいたかもしれない。それは自業自得なのか。ゼレンスキーは国民に対して徹底抗戦を呼びかけながら火炎瓶を作ることを呼びかけ、さらに18歳から60歳までの男子に対して出国を禁じる国家総動員法に署名した。彼らが手にする武器は、米国や西側諸国から送られている兵器だ。何が正しいのか、何が間違っているのか。書きながら不安になる。」
このあと、森達也さんはフランスの作家で詩人のボリス・ヴィアンが書いて、加藤直が訳し、沢田研二が歌う「脱走兵」の歌詞を引用します。
「僕は今 戦争に行くようにとの令状を受け取りました …大統領閣下 僕は嫌です 戦争をするために 生まれたのではありません …僕は決めました 逃げ出すことを …戦争を拒否せよ 我らは同じ人間…」。
武器を手にすると言うことは、それを使用して他者のいのちを奪うということです。核を使用すると言うことは、かつて広島で起こったことが、世界のどこかで起こると言うことです。それは、とても恐ろしいことだと思えます。日本は、憲法第9条で「武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と誓っています。
森達也さんの「武力に訴えるべきではない」という言葉と、憲法第9条と、仏さまの願い「不殺生」「殺すなかれ」は?がっているように思えます。


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