お庫裡から 2022年6月

私が歩行困難な痛みに襲われたのは、７０才の初秋。

その後、痛みが度々襲い、最近は常駐化しています。

病名は脊柱管狭窄症。

整形の先生に尋ねました。

「本に、筋肉をつけて狭窄症を治すと書いてありましたが、本当ですか」「本当ですよ」私がホッと顔をゆるめると、「でもね、あなたの場合、すべり症だから筋肉を付けても治りませんよ」

最近は痛み止めの薬を何種類も頂いていても、気休めのよう。

体力と気力の残っているうちにと、手術を決断しました。

手術は、豊明市にある藤田病院を紹介されました。

私は本来、どこも悪くありません。

病院には不慣れなのです。

藤田病院はとても大きく、駐車場も広く入り組んでいます。

朝８時に家を出て、診療室を出たのが午後の７時。

右の端にある夜間の会計を済ませ、左の端で薬を受け取り、また、右の端の夜間出口から出る。

もう歩けなくて泣きそうなのに、車を探して駐車場へ。

ここでも出口がわからず、ぐるぐる。本当に病院に行くのは、難行苦行です。

痛む時は、早く手術をしてもらいたいと思い、痛まぬ時は手術をこんなに早く決めて「早まったか」と、あれこれ心が揺れます。

それでも一月、一月、手術に向けて準備が進んでいきます。

病院で歩けなくて泣きそうだったという話を聞いて、娘たちが母の日のプレゼントにと、手押し車を買ってくれました。

こんなものをプレゼントしてもらうなんて、一寸恥ずかしい。

頭では拒否しているのに、次の病院行きでは、この手押し車にまぁなんと助けられたことでしょう。

（この手押し車を押している私は、手術が無事済むまでの仮の姿じゃ…７５才の現前の境遇になかなか落在出来ぬ私です。）