今日も快晴!? 2022年3月
オオタ ヴィン監督の「夢見る小学校」という映画を観に行きました。
少し前に同じ監督の「いただきます」という映画を観てとても良かったのと、映画のキャッチコピー「テストがない、宿題がない、『先生』がいない小学校」という言葉が面白いと思ったからです。
映画のHPにあった「監督メッセージ」も、とても素敵でした。
先生がいない・きのくに子どもの村学園。通知表がない・伊那小学校。校則がない・桜丘中学校。
こんな(変な、というか真当な)学校もアリなんだよ。
こんな(変な、というか素敵な)先生や校長がいるんだよ。
「自分のままでいいんだよ」 「人と違っていてもいいんだよ」 「がんばらなくていいんだよ」
もっと、子どもを自由にしてみませんか。子どもがやりたいことを応援しませんか。
映画では3つの学校が紹介されていますが、どの学校も、「まず子どもを幸せにしよう」というスローガンのもと、先生(おとな)達が日々子どもたちと向き合ってくれていました。
30年前から「体験学習」を実践している私立のきのくに子どもの村学園では、本の勉強よりも、実際に作ったり調べたりする活動が重視されます。
国語や算数と言った教科の区分はなく、「プロジェクト」と呼ばれる体験学習が時間割の半分を占めていて、子どもは好きなプロジェクトを選んで1年間所属します。
校庭に巨大な遊具を建てる子どもたち、畑に種を蒔き、収穫した蕎麦を自分で調理して食べる子どもたち、紙をすく子どもたち等々…。
ここの卒業生は、「自分の頭で考える力が際立っていましたね」とは、文化人類学者の辻信一さんの言葉です。
私立だから自由度が高いかというと、60年以上成績通知表がない「総合学習」を続ける伊那市立伊那小学校や、校則、定期テストをやめた世田谷区立桜丘中学校など、公立の学校も紹介されています。
桜丘中学校の元校長の西郷孝彦さんは「意味の無い校則は子どもの考える力を奪うので無くしました。公立学校も、実は、かなり自由なんだよね」と仰っています。
増え続ける「発達障害児(※原文のまま)」についても、前述の西郷さんは「我々人間は程度の差があっても全員が発達障害なんです。
例えばあなたが軍隊に入って非人間的に扱われたとしますよね。
こんなところは嫌だってなるでしょ。そうすると軍の上層部から言われるわけです。『おまえは発達障害だ!』とね。」オオタ監督は「僕は、『発達障害』」といわれる未発達の部分にこそ、なにか素晴らしい能力が眠っているのだ、と感じます。
不得意なことをやらせて均質化するのではなくて、楽しくて得意なことをどんどん伸ばせば良いんじゃないの。
子どもたちの宝物のような潜在能力が圧迫されている現実を、かなしく思うのです。」
きのくに学園にも、発達障害と診断された子どもが転校してくることがあったそうですが、「多くの子は、僕からしたら全く普通の子ども」とホリ校長先生。
映画のナレーションの「画一的な学校教育が発達障害を生んでいるのかもしれません」という言葉にもはっとしました。
全ての学校がこうでなくても良いけれど、こんな学校がどの地域にもあって、子どもたちが自分で選べたら良いなと思いました。
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