お庫裡から 2017年11月

守綱寺

2017年11月30日 20:00




今年もはや11月、報恩講を迎える月となりました。
先日は、テレビで〔「人体」神秘のネットワーク〕という番組を観て、人体は3兆もの細胞で成り立ち、各臓器はそれぞれに連絡を取り合い、互助作用をして人体を維持していると知りました。
我が身のことでありながら、その緻密な構造と作用を、70年も無償で、この今もなお、働き続けてくれていて、私が生きて在るのかと思うと、自分に向かって「ありがとう」「ありがとう」と申さずにはおられません。
小鳥が鳴けば、その声に耳を傾け、虫の音に心癒され、雑木の下のゴソゴソの中に白い茶の花が花弁をふくらませているのを愛で、豆つぶ程の雑草の花と語る。嬉しい気持ち、喜びは、身の回りからあふれてきます。
今月の掲示板の「当たり前に思えるすべてのことが、信じられないほど、素晴らしい」こんな心境です。
しかるに、同じく掲示板の「自分の思いから逃れられない自分だ、とわかる」という場面に度々出くわすのです。
より多い、と言った方が正確です。自分をのぞいてみると、自分に関係が深い相手に対して、自分の思いを重ねて見てしまっています。
意識では、相手を思うようにしようなんて思っていないのに、思い通りにしてくれないと腹を立て、私のことが分かっていないと愚痴をこぼす。
「救済とは、私、私と思っていた私は「煩悩」であると知らされること」
7人の家族の生活は、賑やかで、張り合いのいいことばかりでなく、自分とはどんな者か知らされる場であり、共に立つ地平を認識させていただく聞法の場であると思います。
報恩講、ぜひお参りください。

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