お庫裡から 2023年11月

守綱寺

2023年12月26日 10:18



久しぶりにお会いした方から、「大きな手術をされて、その後は如何ですか」と尋ねられ、あの手術から丁度1年が経ったと振り返ります。
私が歩けなくなるような痛みに襲われたのは70代に入る直前でした。
その痛みが年々に頻繁となり、手術にふみ切ったのです。
脊柱管狭窄症の類です。
手術に践みきるまでの6年で動きが鈍くなっている分、足腰の筋力も衰え、手術してすぐ劇的に痛みが無くなったという訳ではなかったのですが、生活をしているうちに、あれ、あれ、という具合に痛みが少なくなり、今では痛みなく歩けるようになっています。
ご心配くださった皆さん、ありがとうございます。
しかし、私が思い描くように元気に走り回って仕事が出来るという訳ではありません。
何より私はすっかり老人になっていました。
人間という者は、目が外を向いているので我が身が見えず、思わぬ失敗や笑い話のような事を仕出かします。
私が歩けるようになった事を見透かしたように、中学の時の友人が名古屋へ来ると連絡をくれました。
久しぶりに会った私たちは、お互いを見つめ合い「ちっとも変わってないね」「ちょっと、私達って、二人とも年齢より若く見えるよね」なんて言い合い、地下鉄に乗ると、若いお姉さんがさっと席を立ち、私達に「どうぞ」と譲ってくれたのです。
たった2駅なのに、私達は喜んでどっこいしょと座らせてもらいました。
こんな事も生きておればこそ、元気でおればこそ。
今を嬉しく生かせてもらいます。

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