2020年11月06日

本堂に座って 2020年11月

本堂に座って 2020年11月

先日、毎月お参りにうかがっている家の方が、ある本を紹介してくださいました。
その名も『命日占い』。
遺された方の誕生日と亡くなられた方の命日から関係性を物語として表し、「故人との再会を果たしてほしい」という願いが込められているそうです。
その中から“身近な方の死”について書かれている部分を引用してみます。


命日は、あなたにとって大切な人がもう一つの世界に旅立った日でもあります。
それゆえ、故人にとって大切な日であることは言うまでもありません。
ですが、見送ったあなたにとっても大切な日であり、あなただからこそ受け取れるメッセージがあります。

「死」を受け止めるにはどうしたって時間が必要です。
ところが、大切な方を亡くされた直後から「私は泣いてはいけない。しっかりしないと…」と気を張ったまま何年も悲しみを表現しないまま過ごされていることが非常に多いのが現状です。
しかし、そうやって必要な悲しみを無視して過ごすと、人生を前に進めるエネルギーが失われていきます。
私たちの感情システムは「悲しみだけ抑えて、喜びだけを感じる」という便利な仕組みにはできていません。
そのため、悲しみという感情を抑えてしまうと、喜びの感情も同時に抑えてしまうのです。
死を受け止めることは、決して焦るものではありません。
もちろん受け止められない自分自身を責めなくても大丈夫。
時間が必要なのですから。
安心して悲しんでください。
…と言っても涙を流して泣くだけが悲しみの表現ではありません。
泣いてもいいし、ただ心の中でじんわりと悲しみを受け止めるだけでも十分です。
ひとしきり悲しみを乗り越えた後でも、故人を思い涙することもあるでしょう。
でも、その涙はお別れ直後の涙とは少し違ったように感じられるかもしれません。
悲しみの感じ方も受け止め方も、人それぞれです。力はその後にかならず生まれます。

故人との生前の記憶や思い出の品に触れることは、時に「亡くなった人への未練」としてネガティブに捉えられることがあります。
しかし、本当にそうでしょうか。
生きている私たちにとって、故人との優しい記憶、思い出の品は故人との架け橋になります。
たとえ、故人との間に辛い思い出があったとしても、それはかけがえのない絆です。
亡くなった人を思うこと、思い出を振り返ることは、決して“未練がましい”と表現されるようなネガティブなことではありません。
故人との絆から勇気をもらい、あなたが今を生きるために、時に必要な時間です。
それに自分の一部を作ってくれている故人に思いを馳せること、故人の生きてきた時間に深く感謝することは、故人への愛の表現のみならず、自分自身の一部を愛することだとも言えましょう。
あなたの大切な故人は、生きつづけています。
これは何も難しく考えることでもありません。
特別な霊能力がなくとも、故人を思う気持ちがある限り、故人はあなたの中で生き続けるのです。
「死」によるお別れはとても悲しいことです。
しかし、「無」になるわけではありません。
あなたが求めれば、いつも故人はあなたの心の中で語りかけてくれます。
「ずっとそばにいますよ」と。
(『命日占い』かげした真由子著 サンマーク出版発行より引用しました)


本の内容は「西洋占星術」を基礎として「私と故人の関係性を“命日”をもとに占う」ものですが、生や死についても書かれています。
「死は終わりではない。生も死も私にとって大切な節目。」
「有限の命を持って、この世で生きているのが私。死をしっかりありのまま見つめることで、制限のある時間の中で、ありのままの自分を生きることができる。」
「生きることの特別さは、死ぬことがあって初めて生まれる。」
本の帯に「“占い=未来を言い当て、変えてくれるもの”というイメージがありますが、この本では未来を変える働きかけはしません、“過去を変えます”。」と書かれています。
起こった事実は変わりませんが、その受け止め方は変えることができる…「これからが、これまでを決める。」という藤代聰麿さんの言葉を思い出しました。



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Posted by 守綱寺 at 09:24│Comments(0)本堂に座って
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