2024年10月23日
今日も快晴!? 2024年10月
9月に豊田大橋の下で行われた「橋の下音楽祭」の関連イベントで、元イスラエル空軍兵のダニー・ネフセタイさんの「どうして戦争しちゃいけないの?」と題する講演会がありました。1957年にイスラエルで生まれたダニーさんは、兵役のある国で、「国のために死ぬのは素晴らしい」、「夢は空軍パイロット」と当然のように思いながら育ちました。高校卒業後、空軍に入り戦闘機に乗るための訓練を受けましたが、残念ながら実技試験の終盤を突破できず、パイロットにはなれませんでした。除隊後、世界各地を放浪し、22歳で日本に来てから様々な気づきがあったと言います。以下、講演の最中、メモを取った部分を紹介します。
「自分は、パイロットになれなくてラッキーだった。なぜなら、戦闘機の目的はたった2つ。人を殺すことと、物を壊すこと。自分はパイロットになれなかったおかげで、人を殺さずに済んだ。」
「軍隊の成り立ちは、①差別・・・良い側と悪い側に分けないと、相手を殺せない。②人間をランク付けし、命令に従う。③解決方法は武力のみ。」
「戦争は、始まると歯止めがきかない。人間は、鉄の力に酔ってしまう。楽しくなっちゃう。1937年の南京事件も、だんだん楽しくなってきて、もっとやろう、もっとやろうとエスカレートした。」
「イスラエルでブルドーザー部隊で従軍した人は、イスラエルに戻り、PTSDを発症している。国は、一人の健康な人間と一人のメンタルが病んだ人間を抱える。これでは国が成り立たない。」
「戦争では、儲かる産業と儲かる国がある。アメリカは救援物資と同時に武器の両方を供給する。」
「憎しみは憎しみを生み、次の犠牲者が生まれる。80年前、大東亜戦争の最中、戦争で戦った自分は英雄であり、天皇を守り、国を守ったと考えていた。しかし、国に帰り、冷静に自分のやったことを考える(と、良心の呵責に耐えられない)」
「政治家の間違った判断、洗脳とプロパガンダ(が戦争を生む)。軍人が殺すのは、敵ではなく人間。」
「敵に攻められないよう、抑止力として武器が必要と言うが、ロシアとウクライナの戦争を見ても、核兵器を持っていても戦争は始まった。何の抑止力にもならない事は明らか。日本がどんなに武器を持ったとしても、中国が日本を襲おうと思えば襲う。中国は日本の4倍の軍事費があり、10倍の軍隊がある。実際に戦争が始まったらどうしようもない。自衛隊には何の意味も無い。だから、戦争にならないように、始まる前になんとかしないといけない。」
「私たちは、歴史を学ぶが、歴史から学ばない」
「戦争に燃費は関係無い。環境に良い戦争や戦闘機はない。戦車の燃費は、1Lで300m。F35戦闘機(ブルーインパルス)は、1時間飛ばすのに5600Lのガソリンが必要。これは、車1800台分。1時間飛ばすのに、600万円掛かる。そして、環境を汚す。そんな戦闘機を、日本は米国から147台購入予定。」
ダニーさんは、「世界に先駆けて戦争を放棄する平和憲法を持った日本が、戦争の準備を始める始末」と嘆きます。「人権を尊重すること、想像力と心を使うこと。「敵」にも幸せになる権利があると気づくこと。実際に戦争に反対する世界を望むなら、批判の声を上げること。それも、控え目にではなく、大きな声を上げる必要がある。」
私のこの拙い文章も、もちろん「戦争反対」の声ではありますが、まだまだ小さく控え目だと感じます。講演会で購入したダニーさんの著書『国のために死ぬのはすばらしい?』『イスラエル軍元兵士が語る非戦論』を読み、私なりの大きな声の上げ方を考えたいと思います。
Posted by 守綱寺 at 11:31│Comments(0)
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