2021年07月05日
今日も快晴!? 2021年7月
大阪市の久保校長先生が、松井市長に郵送した提言書がネット上で公開されていましたが、「本当にその通り!」と思う素晴らしい内容でした。
是非共有したいと思います。
「大阪市長 松井一郎 様
大阪市教育行政への提言 豊かな学校文化を取り戻し、学び合う学校にするために
子どもたちが豊かな未来を幸せに生きていくために、公教育はどうあるべきか真剣に考える時が来ている。
学校は、グローバル経済を支える人材という「商品」を作り出す工場と化している。
そこでは、子どもたちは、テストの点によって選別される「競争」に晒される。
そして、教職員は、子どもの成長にかかわる教育の本質に根ざした働きができず、喜びのない何のためかわからないような仕事に追われ、疲弊していく。
さらには、やりがいや使命感を奪われ、働くことへの意欲さえ失いつつある。
今、価値の転換を図らなければ、教育の世界に未来はないのではないかとの思いが胸をよぎる。・・・(略)・・・
また、コロナ禍により前倒しになったGIGAスクール構想に伴う一人一台端末の配備についても、通信環境の整備等十分に練られることないまま場当たり的な計画で進められており、学校現場では今後の進展に危惧していた。
3回目の緊急事態宣言発出に伴って、大阪市長が全小中学校でオンライン授業を行うとしたことを発端に、そのお粗末な状況が露呈したわけだが、その結果、学校現場は混乱を極め、何より保護者や児童生徒に大きな負担がかかっている。
結局、子どもの安全・安心も学ぶ権利もどちらも保障されない状況をつくり出していることに、胸をかきむしられる思いである。
つまり、本当に子どもの幸せな成長を願って、子どもの人権を尊重し「最善の利益」を考えた社会ではないことが、コロナ禍になってはっきりと可視化されてきたと言えるのではないだろうか。
社会の課題のしわ寄せが、どんどん子どもや学校に襲いかかっている。
虐待も不登校もいじめも増えるばかりである。
10代の自殺も増えており、コロナ禍の現在、中高生の女子の自殺は急増している。
これほどまでに、子どもたちを生き辛くさせているものは、何であるのか。
私たち大人は、そのことに真剣に向き合わなければならない。
グローバル化により激変する予測困難な社会を生き抜く力をつけなければならないと言うが、そんな社会自体が間違っているのではないのか。
過度な競争を強いて、競争に打ち勝った者だけが「がんばった人間」として評価される、そんな理不尽な社会であっていいのか。
誰もが幸せに生きる権利を持っており、社会は自由で公正・公平でなければならないはずだ。
「生き抜く」世の中ではなく、「生き合う」世の中でなくてはならない。
そうでなければ、このコロナ禍にも、地球温暖化にも対応することができないにちがいない。
世界の人々が連帯して、この地球規模の危機を乗り越えるために必要な力は、学力経年調査の平均点を1点あげることとは無関係である。・・・」
この後「1点2点を追い求めるのでは無く、子どもたちの5年先10年先を見据えて今という時間を共に過ごしたい・・・」と続く後半も、是非紹介出来たら良いな思います。
この提言書の最後に「令和3(2021)年5月17日 大阪市立木川南小学校校長 久保敬」と実名が掲載されていたことも胸が熱くなりました。
匿名では無く、きちんと名乗って堂々と自分の意見を述べる。
なかなか出来ないことだと思います。
Posted by 守綱寺 at 13:57│Comments(0)
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