2024年01月09日

清風 2024年1月

清風 2024年1月

私たちはどこから来たのか、わたしたちは何者か、
私たちはどこへ行くのか
フランスの画家  ゴーギャン

「清風」紙・2023年11月号に掲載した、昭和21年11月3日に公布された「新憲法」についての鈴木大拙老師の講演(昭和22年3月出版)の中で、「序」において次のように述べておられる。

新憲法の発布は日本霊性化の第一歩と云ってもよい。
これは政治的革命を意味するだけのものではない。戦争放棄は「世界政府」又は「世界国家」建設の伏線である。
これはただ日本の憲法の条文中に編み込まれたと云うだけでは済まされぬ、霊性的なものがその裏にある。
これに気付かないかぎり日本の更正は期待せられぬ。
そうして、この更正には大いに世界性のあることをわすれてはならぬ。

そして、前記、11月号で紹介した文中で、「ところが幸か不幸か知らないが、今日の日本は敗戦の故に全ての軍備を放棄することになった。
(略)今日吾ら日本人全体に課せられた課題がある」といわれている。
それは、憲法が施行された2ヶ月前の昭和22年3月2日に公布された「教育基本法」の前文に述べられている、「われらは、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、普遍的にしてしかも個性ゆたかな文化の創造をめざす教育を普及徹底しなければならない。」という原理・原則が、新しく成立した「日本国憲法の精神に則り、教育の目的を明示して、新しい日本の教育の基本を確立するため」に教育基本法も制定された。
しかし2006年12月、その年の9月に成立した第一次安倍内閣によって廃棄・改悪されてしまった。
その影響は、「戦争放棄は世界政府または、世界国家建設の伏線である」と大拙老師が指摘されているが、昭和21年の詔書(天皇の「人間宣言」ともいわれている)の内容にも触れられているように、天皇自らが「朕はここに誓いを新たにして、国運をひらかんとす欲す。須らくこの御趣旨(「人間宣言」の巻頭に『五ヶ条の御誓文』をあげている)に則り、旧来の陋習を去り、民意を暢達して、官民挙げて平和主義に徹し、教養豊に文化を築き、もって民政の厚情を図り、新日本を建設すべし(略)我が国民が現在の試練に直面し、かつ徹頭徹尾文明を平和に求むるの決意固く(略)独り我が国のみならず、全人類の為に輝かしき前途の展開せらるること疑わず。」と記されている。

「霊性化」という大拙老師の指摘について、その意味を次号の清風紙上で説明させていただきます。
少しヒントだけになりますが、ここにゴーギャンの言葉をあげておきました。
 私は問うものでありますが、その前に実は「問われているものである」と。


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Posted by 守綱寺 at 17:24│Comments(0)清風
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