2018年02月07日

今日も快晴!? 2018年2月

今日も快晴!? 2018年2月


昨年の紅白歌合戦で印象的だったのが、平井堅さんの「ノンフィクション」です。
本番のステージでは、平井堅さんのバックで義足のダンサーの方が踊っていました。
(ああ、この人は義足なのにこんなに踊れてすごいなぁ)と思いながら見ていましたが、後日NHKスペシャルで、この時に踊っていらした義足のプロダンサー、大前光市さんの密着番組が放送されました。
たまたまその番組を目にしたのですが、紅白のステージを見ているだけでは分からなかったものすごいドラマがありました。
大前さんは、プロのダンサーとして活動されていた22歳の時、当時日本で最高峰だったダンスカンパニーのオーディションに挑戦し、最終選考まで残りました。
次は最終オーディションという2日前、交通事故に遭い、左足の膝下を切断されたのだそうです。
そして、そのオーディションに見事合格し、その後世界でも活躍するダンサーとなった辻本知彦さんが、紅白の大前さんのダンスの振り付けを担当されていたのだそうです。
大前さんは、足の切断後、トップダンサーとしてステージに立つ辻本さんを見て、(この場所に自分も立つはずだった!)と、葛藤し、涙が涸れた後は怒り、苦しみました。
「描いた夢は叶わないことの方が多い 優れた人を羨んでは自分が嫌になる 筋書き通りに いかぬ毎日は誰のせい? 人生は苦痛ですか? 成功が全てですか? 人生を恨みますか?」
と歌う「ノンフィクション」は、大前さんにとって、(この歌は自分の歌だ!)と思えたそうです。
夢を諦めずトレーニングを続けた大前さんは、「義足ダンサー」として再び注目されるようになりました。
そして紅白歌合戦のオファーを受け、辻本さんの振り付けたダンスを踊ることになります。
振り付けを完璧に覚え、片足がないとは思えないほど正確なターンをし、ぴたりと静止してみせる大前さんのダンスに、辻本さんはなかなか「OK」を出しません。
「極端なことを言えば、振り付けなんてどうでもいい」と言う辻本さんの真意は、なかなか大前さんに伝わりません。
しかし大前さんは、辻本さんとのレッスンを通して、「義足だと分からないように、健常者と同じように上手く踊れることが良いのだと思っていた。そうではなかった。」と気付き、健常者と同じようにまっすぐ立てるよう、水平に作ってもらっていた義足の先をあえて削り、バランスが悪くて上手く立てず、ふらつく自分をあえてさらす形で本番に臨みました。
「紅組でもなく、白組でも無く、負け組で良い。負けた向こうに自分がある」と言う大前さんの言葉は、ダンサーとしての夢を絶たれ、もがき続け、やっと健常者と同じように踊れることで保っていた自分をもう一度壊すという、過酷な試練に向き合った魂の言葉のように思えました。
プロのダンサーとして最高レベルを求める辻本さんと、それに応える大前さん、双方が素晴らしく、感動的な番組でした。
普段は「9時に寝なさい!」と子どもの夜更かしを嫌う私ですが、この番組は思わず子どもたちと見入ってしまいました。
人生は何度でもやり直すことが出来る。
今自分がいる場所から転落したら、奈落の底まで落ちるのでは無く、落ちた下には大地があり、受け止めてもらえるのだから、また新しくはじめれば良いのだと、子どもたちにも大切なメッセージが伝わるような番組でした。


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