2023年04月03日
今日も快晴!? 2023年3月
1月に「教えない教育のススメ」という講演を聞きました。講師は、「宿題を無くした校長先生」として有名な、元市木小学校校長の澤田先生です。
宿題なんてあることが当たり前で、何の疑問も抱いていなかった私ですが、当たり前の常識をひっくり返すような取り組みをされるのは本当に凄いことだと思います。
「宿題をなくす」ということの背景は、「宿題だからと、もう書ける漢字を何度も書いたり、解ける問題を繰り返したりと、何の疑問も持たずにただ言われたことをやるくらいなら、自分が本当にやりたいことや学びたいことに主体的に取り組んで欲しい」という願いがあってのことですが、その本来の目的が理解されず、保護者から苦情が来ることもあったそうです。
澤田先生の「出過ぎた杭は打たれない」という言葉はとても響きました。
自分も、横並びの「みんな一緒」を逸脱するのは、怖いと感じるからです。
以下、澤田先生の講演を聞きながらのメモをとったものです。
○(宿題を無くしたことで保護者から苦情が来たとき)
保護者「宿題を無くして、子どもが勉強しなくなったらどうしてくれますか?」
先生「では、ご自身は宿題があったから進んで勉強するようになりましたか?」と聞き返す。
○今川義元は、竹千代(家康)に「むごい教育をせよ」と命じる。むごい教育とは、寝たいと言ったらいつでも寝かせて、学問が嫌だと言ったらやらせなくて良い。そのようにすれば、大抵の人間はダメになる。現代の「むごい教育」は、大人が余計なお節介をする。そのようにすれば、大抵の人間は無責任になる。
○昔の親は、自分の子どもが注意を受けると「すみませんでした。」と謝ったが、今の親は「(悪いのは)うちの子だけですか?」という。
○日本の教育は、受け身の勉強をやり続けている。だから勉強が苦しいものになる。本来、学ぶことは楽しいもの。家庭では、「待つ」ことをして欲しい。子どもが、自分で考えるようになる。大人は、子どもが褒めて欲しい時に褒める。大人は「大人になるって素敵だよ。楽しいよ。」と、子どもに伝える。
○これまでは、「先生の言うことは絶対正しい」という時代だったが、今は、答えのない時代をどう生きるか。みんなで答えを見つけましょうという時代。これからは「教えない教育」が大切になるのでは。
○今は「親を喜ばせるための幼児教育」になってしまっている。
○教育とは、子どもの今と未来を引き出す。子どもの今の力を最大限引き出すもの。
○子どもが何かやらかしてそうな時は、「何やってんだ(怒)!」ではなく「何がしたかったの?」と尋ねる。
○教師が常に答えを持っている時代は終わった。これからの社会を生き抜くための力は、
・人を大切にする力・自分を表現する力・自分の考えを持つ力・チャレンジする力・人に頼る力それらを総合した「人間力」が問われる。自ら考え、自ら判断し、自ら決定し、自ら行動する。
こうしたことは、時間の余裕があれば出来る。自分が教員だった時は「とにかくやってみよう」と子どもたちに声をかけた。
「むごい教育」については、現代にも通じるなと感じます。
親が先回りして子どもに苦労をさせないようにと進路や人生のレールを敷いたり、怪我をさせないように、衝突を避けるようにと、遊びや喧嘩の経験を奪ってしまう。
塾、習い事、スポーツ活動等々、「子どものために良かれ」と思ってしていることが、日々子どもを忙しくさせ、時間の余裕をなくし、肝心な「自分で考える力」を削いでしまっているのかもしれません。
Posted by 守綱寺 at 09:56│Comments(0)
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