2022年01月04日
お庫裡から 2022年1月
2022年、あけましておめでとうございます。
なんと私は4分の3世紀、75回目のお正月を迎えたのです。
ふっと、子どもの頃のお正月が思い出されます。
元旦、目が覚めると枕元にお年玉の品々が置いてありました。
晴着に新しいこっぽり、羽子板に追羽子、お菓子等です。
家族で百人一首もよくしました。父が読み手となり、節をつけて読み上げるのです。
『心あてに折らばやおらん初霜の 置き惑わせる白菊の花』「これを尚子の札にして『心あてに』と読まれたら『おきまどわせる』の札を取りなさいよ」と母が教えてくれました。
(何故この札かというと、有名な歌はみんなが得意札にしているからなのだそうです。)
父はゆっくり読んでくれるのですが、百人一首は字ばかりのカルタなので、子どもにはなかなか取りづらいものです。
そのうちに父も取り手に加わり、父と母が競い合い、子どもたちを置いてきぼりにして、もう一度、もう一度と、カルタ取りに興じるのです。
懐かしい若き父と母の姿です。
さて、私たちは3人の子に何を残せたのでしょう。
お寺の事に一生懸命で、子どもの事は二の次、三の次に過ぎてきてしまったように思います。
そうしてここまで年を重ねました。
もう子どもの心配より自分の心配をする年齢です。
後4分の1世紀、とても100歳まで生きられるとは思えません。
今後迎えるお正月には、今年一年のいのちかもしれないと思って生きようと、心密かに決意している私です。
本年も、どうぞよろしくお願い致します。
Posted by 守綱寺 at 13:58│Comments(0)
│お庫裡から