2019年01月04日

今日も快晴!? 2018年12月

今日も快晴!? 2018年12月

今週の朝日新聞の日曜版「フロントランナー」に、以前にも1度紹介させて頂いた広島の「ばっちゃん」こと中本忠子(ちかこ)さん(84歳)が紹介されていました。
ばっちゃんの家では、毎日午前11時から午後6時、やってくる子どもに無料で食事を出しています。
きっかけは、46歳で保護司になり、シンナーを吸っていた中学二年の男の子を担当したことだそうです。
「何日も食っていない。シンナーを吸うと、空腹を忘れられる」という少年の言葉を聞き、「それなら」と焼きめしを作って食べさせたそうです。
「悪さをするのはたいがい空腹の時。なら、うちが空腹を埋めちゃろ」と、家に来る度に食事をさせると、少年はシンナーを止めることが出来、それから次々と仲間を連れて来ましたが、親が酒や覚醒剤に依存するなど、ネグレクト家庭の子どもたちだったそうです。
そうして始まった活動は、最初は周囲からの反発がたくさんあったそうです。
「怖くないの?」と言われたこともあったそうですが、「何が怖いの?そんな目で見るのがおかしい。」「子どもたちを信じることから始めている」「(食事を与えても、何度も少年院に入る子どもがいて、裏切られたという気持ちにならないかという質問に対して)「こんなにしたのに」という思いは全くない。
うちの力が足りんかったと思うだけじゃよ。今度はどういう方法でやればいいか考える」「見返りを求めるボランティアならしない方がいい。相手に失礼。そんなでは心が通じんでしょ」「刑務所や少年院から帰ってきても、白眼視しないでほしい。
白眼視されると孤独になり、また犯罪に走ってしま
みんなで受け入れてやる気持ちがないといけんと思うよ」というばっちゃんの言葉は、ずっしり心に響きました。
現在はNPO法人になり、ボランティアスタッフが毎日来てくれますが、二年前までは中本さんの市営住宅の自宅が子どもたちの居場所だったそうです。
多いときには10人もの子どもに食事を与え、家に帰りたくないという6人を七ヶ月家に住ませて、食費は月に18万。
水道、光熱費は6万円にもなったそうです。
本当になんて人だろうと、頭が下がる思いしかありません。
たまたま同じ時期に自閉症の作家、東田直樹さんの書かれた「自閉症の僕が飛び跳ねる理由」という本を読みました。
東田さんは会話の出来ない重度の自閉症でありながら、パソコンによるコミュニケーションが可能になり、質問に答える形で自らの内面を伝えてくれています。
「急に泣き出したりパニックになるのはなぜか」、という質問に、「ずっと昔に起こって、もう終わってしまったことなのに、どうすることも出来なかった気持ちが、あふれてあふれて抑えられなくなるのです。その時には泣かせて下さい。泣いて泣いて心を軽くすれば、僕らはまた、立ち直ることが出来ます。うるさくて迷惑かもしれませんが、僕らの気持ちに共感して側に居て欲しいのです」と答えています。
子どもたちに寄り添い、食事を与え続けた中本さんの行動は、東田さんの求める「気持ちに共感し、側に居る」姿そのものです。
非行に走った子どもや障がいを持つ子どもでなくても、側に居て共感してくれる人もおらず、信じてもらえず「泣いて泣いて」いる子どもたちは、すぐ近くにも居るように思います。
「僕らはまた立ち直ることが出来る」という子どもたちを信じる大人になれたら良いのですが・・・。


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