2019年12月14日
お庫裡から 2019年12月
東京にいる三女は、1歳と3歳の2人の子育て真っ最中。仕事もしているので、息が詰まってくると電話をかけてきます。
ドラえもんのどこでもドアが欲しい、と言われても東京まで飛んで行ける訳もないので、フンフンといつも話を聞くだけなのです。
その日も色々話した後で、「聞いてもらってありがとう。あのね、お母さん。私ね、私がお寺の子に生まれて、何が良かったかといったら『南無阿弥陀仏』に出遇えたこと。抗して子育てしていると、折りに触れ、イヤ、しょっちゅうかな、自分中心にしか物事を考えない自分の正体を見せつけられるでしょ。その都度、ハッとなって。そんな事のあった後の子ども達の可愛いこと。こんなお母さんでゴメンね、という気持ち、私の子どもに生まれてくれてありがとう、私の正体に気づかせてくれてありがとうって、本当に愛しくて嬉しくて「なんまんだぶつ」って子ども達を抱きしめちゃう」「そんな時ばかりじゃないけれどね。でも自分に帰るってとても大事だよね。だからね。子ども達にも是非『南無阿弥陀仏』に出遇ってもらいたくて。そう思うとね、こんなマンションに住んでいていいのかな。お寺の近くに引っ越そうかな、なんて考えちゃうの」
三女の話を嬉しく、また面白く聞き、「大丈夫よ。お寺の近くへ引っ越さなくても、子ども達はお母さんの背中を見て育つから」
「あらー、こんなお粗末な背中を見せていていいのかしら」と大笑いで電話は切れました。
Posted by 守綱寺 at 20:00│Comments(0)
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